界面活性剤が及ぼす頭皮トラブルについて

界面活性剤

 

界面活性剤とは・・・多くき分けて、天然・合成の2種類

界面活性剤とは、通常混ざりあわない水と油を混ざるようする作用のことで、その力を利用して汚れを落とします。
また界面活性剤は、大きく分けて「天然界面活性剤」と「合成界面活性剤」の2種類に分けられます。

界面活性剤 図

| 天然界面活性剤

サポニンやリン脂質、ペプチドなどのように天然物質として、元々自然界に存在するものを言います。その他では、レシチン、カゼインなど食品(手作りマヨネーズや牛乳など)などに使われている場合が多い界面活性剤です。

| 合成界面活性剤

天然界面活性剤とは違い、人の手で科学的に合成されたいわば「作られた界面活性剤」と言えます。泡立ちが良く、洗浄力に優れている反面、頭皮や肌、髪への影響が大きいのがその特徴です。

 

合成界面活性剤は、「天然系合成界面活性剤」と「石油系合成界面活性剤」の2つに分けられます。原料によってさらに石けん系、アミノ酸系、ベタイン系、高級アルコール系、石油系などに分けられます。

| 天然系合成界面活性剤

洗浄力がマイルドなのが特徴で、保湿に必要な皮脂を洗いすぎることがなく、乾燥肌や敏感肌の方にもやさしい洗い上がりです。

①石けん系
ラウリン酸Na(ココナッツオイルやヤシ油に主に含まれるもの)など
⇒洗浄力:強い / 刺激:比較的弱い

②アミノ酸系
ココイルグルタミン酸、ココイルアラニン、アシルグルタミン酸
(ヤシ油から精製されたもの)
⇒洗浄力:やや弱い / 刺激:弱い

③ベタイン系
ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、
ラウリルヒドロキシスルタインなど
⇒洗浄力:弱い / 刺激:弱い

| 石油系合成界面活性剤

天然系合成界面活性剤に比べて、石油系合成界面活性剤は比較的安く大量生産できて、高い洗浄力を実現できることから、洗剤やシャンプーなどの生活用品の原料に使用されています。

①高級アルコール系
ラウリル硫酸Naやポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸
トリエタノールアミンなど
⇒洗浄力:強い / 刺激:非常に強い

②石油系
α-オレフィンスルホン酸Naなど
⇒洗浄力:強い / 刺激:非常に強い

石油系合成界面活性剤を使用することで、「毛乳頭」「メラゾーム」および髪の毛を育む様々な細胞が刺激性ストレスを受けることにより、テロメアの短縮が起こり脱毛などのトラブルに繋がると考えられます。

若さの源「テロメア」で「髪と頭皮のエイジングケア」

天然系界面活性剤や合成天然界面活性剤の中で洗浄力、刺激性が低いものが配合されたシャンプー、トリートメントなどのヘアケア製品を普段から使用することで皮脂の過剰な分泌を抑え、「刺激性ストレス」を軽減し健やかで瑞々しい頭皮環境をつくり、発毛を促します。

 

【控えた方が良い】洗浄力、脱脂力の強い界面活性剤

ラウレスサルコシンTEA、スルホコハクラウレス2Na、
ラウレス-○酢酸Na、ラウレス硫酸Na・TEA、オレフィンスルフォン酸、
パレスー3硫酸Na、※2ラウリル硫酸Na
上記の合成界面活性剤は発毛に関して非常にリスクがあるのでなるべく使用を控えるようにしましょう。(注:すべて配合量に左右されるものなので配合されているから即NGというわけではありません。)

※2:ラウリル硫酸Na:以前は石油由来成分でしたが近年は植物由来成分になっています。ですが、効果自体は同じものです。

シャンプーや洗い方を見直しても、頭皮トラブルが続いている場合は、シャンプーやヘアケア商品などの成分が肌に合わなかったり、刺激が強すぎるのかもしれません。

なるべくシンプルな成分のシャンプーを選ぶなど、配合させている成分にも注目してみてください。
健康的で美しい髪を作るのは、健康な頭皮です。頭皮への刺激を減らして、頭皮環境を整えましょう。

泉 孝之
stylist / CUT・S 春日店 泉 貴之

 

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